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sakura-mana撮影/加藤 岳

紗倉まなが、高齢者の性がわかる理由。

紗倉まなは、語ります。
「コアなAVファンの中にはスマホもバソコンも使わず、いまも本屋にエロ本を買いにいって、作品の感想をハガキで送るという人も少なくありません。また折に触れ、彼らのセックスレスや性の悩みも聞く機会がありました。これだけデジタル化が進む社会の中で、高齢者がどういうふうに性欲を解消したり、処理しているのだろう…とかねてから考えていました」

アダルトビデオの購買層は年々、高齢化しています。紗倉まなのDVD発売イベントには若者や女性も見られるが、主な客層は50代から80代の男性だそうです。

作家、紗倉まな

紗倉まなは、これまでも工ッセイ2冊、小説を2冊を書いています。なかには映画化された作品『最低。』もあります。
そして新刊『春、死なん』(講談社)は、なんと彼女の文芸誌デビューです。

「この作品は文芸誌『群像』に掲載された『春、死なん』『ははばなれ』という2編の小説を収めたものです。文芸誌は高専時代に親友が勧めてくれたのがきっかけで『群像』や『文學界』『文蔓春秋』を読んでいました。学校では土木や測量の勉強をしていたのですが、文学好きになったのはこの頃ですね」

紗倉まなの新刊『春、死なん』

漂白化する社会に葛藤しながら綴られた性と死に迫る衝撃作!

コンビニの工口本や喫煙所が五輪開催を目前に次々に排除され、急激に漂白化される社会のありさまが年老いた主人公の視点を通して描かれている。

本書で描かれる主なテーマは「高齢者の性」「母の性」。登場人物は妻を亡くした70歳の老人や、還暦を迎えた女性と、現在26歳の紗倉とは年齢も社会的属性もまったく違う存在。彼らの心の動きや葛藤を、ときにグロテスクなまでに生々しい筆致で描いています。

「創作にあたっては、自分と年齢や性別が近い存在よりも、社会的な属性は違っても、どこか共感できる立ち位置の登場人物を描くほうが書きやすかったんですよね。高齢者の性については、アダルトビデオのファン層から着想を得た部分も大きいですね」

紗倉まなは、「アナログ派」と自認

「私はスマホ決済も苦手だし、キャッシュレス化の波に乗れていない。カードから個人情報が抜き取られて、自分の知らないところで悪用されて、法外な請求が来るんじゃないか……とヒヤヒヤしたり(笑)。またこの小説にも出てくるように、私自身もいつか那須でスローライフをしたい……なんて夢もあります。少し前に、トヨタが閉鎖予定の東富士工場の跡地を未来都市にすると発表していましたが、生産性の高さばかりに重きが置かれる風潮って果たしてどこまで幸福なのか、ふと疑問に思ってしまうこともあるんです」

紗倉まなの人生に影響を与えた本 3選

少女七竈と七人の可愛そうな大人
桜庭―樹(KADOKAWA刊、660円)
淫乱な母を持つ美少女が旭川を舞台に様々な男と関係を持っ。
「桜庭さんは、少女性を書いたらピカイチの作家さん。本作でも物事を過敏に捉えてしまう主人公を描いています」

レキシントンの幽霊
村上春樹(文蔓春秋刊、5引円)
村上春樹の短編集:「高専時代、熱心な春樹ファンの先生が授業で紹介してくれました。なかでも津波で大切な友人を亡くした主人公がトラウマに向き合う『七番目の男』に惹かれました」

子供はわかってあげない
田島列島(講議社刊、660円)
高校2年生の美波の、ひと夏の冒険。
「普通だけど普通じゃない日常、作者は天才だと思いました。これまで読んできた浸画の中で一番、感銘を受けた作品です」実写映画化は今夏公開予定

(『SPA』2020.03.03よりまとめ)

SPA2020.03.03

紗倉まな・プロフィール

AV女優、女優、タレント、歌手、小説家、YouTuber。
キャッチフレーズは
「レモンティーよりも?ハーブティーよりも?
はいっ!貴方のやる気スイッチは私が押します」
近年は“えろ屋”を自称する。
【生年月日】 1993年3月23日 (年齢 26歳)
【生まれ】 千葉県
【身長】 160 cm
【事務所】 マインズ(mine's)
【映画】
エターナル・マリア
最低。
KARATE KILL
少女は異世界で戦った
ゴッドタン キス我慢選手権 THE MOVIE

終わりに。

紗倉まな、こんなに可愛い顔してなんでAV女優に?

紗倉まなさん、AV動画に自ら出演して、客層やその心理まで把握し、文芸小説も書いてしまう。26歳とは思えない才能の持ち主です。
彼女の書評を見ても、高専時代から本が好きで、その感性はかなり高かったようです。

それにしても、こんな可愛い紗倉まなさん。なんでAV女優になったのでしょうか?

まずはAV女優になったきっかけが変わっていました。紗倉まなさんがAV女優を志したのはなんとまだ14歳のとき。父の書斎にこっそりまぎれていたAVを視て、その存在を初めて知り、同時に「AV女優になりたい」と思ったというのです。

「初めての映像...AVに、私は思わず見入ってしまいました。
男性と女性が絡み合っている映像は、不思議なことにとてもキレイに見えました。普通の感覚で観てみれば、「お父さん、いやらしい」なんて嫌悪感を抱いたりするのかもしれません。でも私は、「女性の体って、こんなにキレイなんだ...」と、感動してしまったんです。
アダルトビデオの中の女優さんが、スポットライトをあてられているように輝いて見えたのです」
自伝的エッセイ『高専生だった私が出会った世界でたった一つの天職』(宝島社)