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日本の国蝶「オオムラサキ」国蝶オオムラサキ(ウィキメディア)

日本の国蝶「オオムラサキ」

オオムラサキは、タテハチョウ科
タテハチョウはチョウとしては中型から大型の部類に入ります。日本で最大のタテハチョウが、オオムラサキです。よく見られるアゲハチョウよりも大きいです。
日本では北海道から九州まで各地に分布していますが、東京ではなかなか見られません。
※近年ではマダラチョウ類をタテハチョウ科に含めることがあります。その場合オオゴマダラが最大となります。

そんなオオムラサキがなんと、東京都の日の出町の谷戸沢廃棄物処分場で羽化しているのだそうです。

読売新聞・国蝶オオムラサキの記事(読売新聞25日朝刊)

谷戸沢処分場 国蝶オオムラサキの動画を公開

国蝶オオムラサキの羽化の動画(貴重です!)
https://www.tama-junkankumiai.com/kankyo/hozen/oomurasaki/20200617

日の出町の谷戸沢廃棄物処分場で、国蝶のオオムラサキが次々と羽化し、同処分場を管理する「東京たま広域資源循環組合」(管理者=石阪丈一町田市長)がホームページに動画をアップして、幼虫から羽化するまでの様子を紹介している。

谷戸沢処分場 動画を公開

同処分場は1998年に埋め立てを終えており、現在は自然環境の復元を目指した事業などが行われている。2009年には、環境省が準絶滅危慎種に指定するオオムラサキの成虫を場内で確認。以来、特設ケージで幼虫を保護し、羽化するまで見守っている。

今年は約350匹の幼虫が見られた。羽化は15日に始まり、6月いっぱい続くという。例年、見学会も開かれてきたが、新型コロナウイルス感染拡大防止のため、今年は中止になった。

読売新聞25日朝刊)

私とオオムラサキ

私は埼玉県立川越高校時代、生物部生態班に参加。川越市近辺のチョウの生態を調べたりしていました。だから、日本のチョウについては関心が高い方です。それでも、オオムラサキは図鑑だけで、飛んでいるところや標本でも見たことがありませんでした。

そんなオオムラサキの幼虫が約350匹も見られ、次々に羽化している。すごい!と思いました。成虫のオオムラサキを見たいと思いますが、6月いっぱいでは無理……か。

ちなみに、チョウを数えるときは、1頭、2頭、3頭と「頭」で数えます。

チョウは、なんで「頭」と数えるの?

その謎を解くヒントは意外にも英語にあります。

英語では牛などの家畜を"head"で数え、例えば5頭の牛を"five head of cattle"といいました。日本語にも「頭数(あたまかず)を数える」といって、人数を「頭」で把握することがありますが、"head"もこれと同じ発想です。

この用法は、動物園で飼育されている動物を数える際にも使われ始めました。西洋の動物園で、しばしば珍しいチョウを飼育・展示していますが、動物園で飼育している生物全体の個体数を、種類に関係なく"head"で数えるようになったのだそうです。

そのうち、昆虫学者達が論文などでも研究対象であるチョウの個体を"head"で数えるようになり、それを20世紀初頭に日本語に直訳(誤訳)したものが現代の日本語に定着した、という説が有力です。

しかし、この他にも、標本としてのチョウには頭部が切断されていないことが重要視されることから「頭」で数えるとする説や、昆虫採集はもともと狩猟の一種として考えられていたために、獲物は動物と同じ数え方をするのではないか、といった説があります。

いずれにしても、慣用的・専門的にチョウを数える以外は、昆虫の一種として「匹」で数えるのが一般的です。

https://japanknowledge.com/articles/kze/column_kaz_10.html