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サバの塩焼き、サバの味噌煮がポピュラーですが、最近はサバ缶がブームになっています。といっても、今のサバ缶のブームは第3次ブームだそうです。
安いサバ缶は約100円。おかずを1品欲しいなというときにはとても重宝します。
関サバは何と言っても刺身が美味しい。
家ではまず食べられませんが、そのきめ細かな舌触りが何と言ってもたまりません。また、サバ嫌いな人に多いその臭いもあありません。清冽といったイメージでしょうか? お店で関サバ、関アジがありましたら、是非食べてみてください。
「全さば連」の広報「サバジェンヌ」池田陽子さんの解説
3月8日発売『週刊プレイボーイ』より
サバ缶、今はコロナ禍による第3次ブーム
第1次サバ缶ブームは2013年頃。『たけしの健康エンターテインメント!みんなの家庭の医学』(テレビ朝日)で、サバ缶による健康と美容効果が紹介されてからです。
第2次ブームは、サバ缶の生産量がツナ缶を上回った2017年頃。この時期に産地や味つけ、パッケージにこだわるなど多彩なサバ缶が出回りました。
そして、コロナ禍による現在の第3次ブームです。
サバにはDHAとEPAが豊富に含まれていて、DHAは動脈硬化予防、中性脂肪の低下、脳機能の向上・維持などに効果があり、EPAは高血圧予防、総コレステロールの低下などに役立ちます。
ほかにも美肌のためのビタミンB2、抗酸化作用のビタミンEなどが含まれているのですが、実は生で食べるよりも缶詰を食べたほうが効率よく栄養素を摂取できるのです。
例えば、ビタミンB2はマサバの場合、100g当たり0.31mgですが、水煮缶だと0.4mgになります。ビタミンEは1.3mgが3.2mgに、カルシウムは6mgが260mgと大きく変わります。これは生だと捨ててしまう骨や皮も缶詰には入っているからです。
あと、できたてのサバ缶は味が染み込んでいないので、おおむね半年たって熟成した状態のほうが、味がまろやかになっておいしいです。今はメーカーがあえてー年寝かせてから販売しているものもありますし、通は2年熟成させてから食べる人もいるほどです。
ブランドサバとは?
ブランドサバの先駆けは大分県の『関さば』です。
プランクトンが豊富な海域で程よく太っており、急流で身が締まっている。そして、伝統的な一本釣り漁法ということで、1980年代後半からブランド化されました。
関さばに続いたのが、2000年頃にブランド化された高知県の『土佐の清水さば』です。
ここのサバは、ゴマサバという種類ですが、爽やかな脂でモチモチ感がすごい。また、地元では刺し身をごま油と塩でレバ刺し風に食べるのが名物のお店もあります。
私が最近注目しているのは千葉県の『銚子極上さば』。
銚子は屈指のサバの水揚げ量を誇る漁港です。そこで最も脂がのった秋に取れる700g以上の大型サバが極上さば。漁獲量全体の1%という貴重品です。この極上さばを熟成塩ダレで漬けてから冷凍し、解凍して食べると、生で食べるのと遜色ない味が楽しめます。
©️プレイボーイ
チョコレート風味のサバ缶『鯖チョコ』(岩手県)
これまで赤(パプリカチリ)、黄(オリーブオイル)、緑(レモンバジル)のサバ缶を出していた企業が、5色セットを意識して青と黒のサバ缶を企画しました。そして青はアクアパッツァ、黒はブラックペッパーに決まったのですが、黒の候補のひとつになっていたチョコをお蔵入りさせるのはもったいないということで発売したものです。味としてはデミグラスソースのようでカカオの風味を感じます。ウイスキーやハイボールなどのおつまみ、ホットサンドの具などにいいと思いますよ。
【Amazon】新商品 鯖缶 チョコ風味 国産サバ使用 170g×2缶
★★★ホワイトデーのお返しにも、シャレてる?★★★
「さばを読む」という慣用句
サバは傷みやすい魚だったため『早口で数えて数をごまかしたから』とか『目分量で大ざっぱに計算したから』という説もありますが、『サバの文化誌』(雄山閣、田村勇著)によると『二枚におろして干したサバを(一匹ではなく)二枚と数えたことからついた』と書いてあります。
サバという名の由来は?
ひとつは、歯が小さいことから小(サ)歯(バ)となった説。もうひとつは、サバは群れをつくって大群で移動することから古語で『多い』といっ意味の『サワ』からきた説があります。どちらにしろ、サバは昔から親しみのある魚だったということです。
「全さば連」ってどんな団体なんですか?
「全日本さば連合会」に聞く、サバの絶大なる魅力&オススメ店!なぜかくも人はサバにアツくなるのか?
仲間内の飲み会から始まった、完全な有志団体です。あるとき、ウチの会長が飲み会の席で「俺はさばが好きだ」と宣言したら、実はみんなサバが好きだったという。そのうち「じゃあ、みんなでいろんなサバの料理を持ち寄って飲もう」っていう話になって。もともとは7名でスタートしたんですけど、飲み会やイベントを重ねるうちに会員が増えて100人を越えるようになったので、2013年に全さば連を正式に立ち上げました。
「全さば連」ではいったいどんな活動を?
主に、公式サイトやFacebookで告知して、「鯖ナイト」というイベントを開催しています。全国のサバの産地や消費量が多い地域からサバを提供してもらって、全さば連オリジナルのレシピや、レストランに作ってもらったサバ料理を肴に飲んで語って、という感じでしょうか。
あと会食するだけではなくて、全さば連の会員が、サバの産地で取材した現地レポート映像を鑑賞したりとか、あとサバを歌ったオリジナルソングを披露したりとか、サバにまつわるいろんな企画を毎回やっています。
全さば連 池田陽子(広報担当):サバジェンヌ
本業/薬膳アテンダント&食文化ジャーナリスト
宮崎県生まれ、大阪育ち。北京中医薬大学日本校を卒業、国際中医薬膳師資格を持ち、薬膳アテンダントとして活動。「ゆる薬膳。」(日本文芸社)など本の執筆、セミナー、講演を行っているが薬膳において、さばの「血行促進、肩こり、美白、クマによい」という効能から再度、さばの素晴らしさを再認識。「缶詰deゆる薬膳。」(宝島社)を上梓したことで、さらに「さば缶」の魅力を再認識。またエディターとして機内誌などで日本各地の食・食文化の取材執筆も数多く行うなかで、全さば連の広報担当に就任。さば/さば缶を使った薬膳料理も担当。
「サバジェンヌが行く」おとなの週末(講談社)
薬膳アテンダント 池田陽子 公式ホームページ