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ワイン史上に残る大事件「パリスの審判」

お中元は「人に話したくなるワインセット」

お中元を検索していたら、「人に話したくなるワインセット」というページがありました。その中の1本がカルフォルニア・ワイン。その説明に、この「パリスの審判」が出ていました。

1976年5月24日当時ワインと言えばフランス・ワイン。シャトー・ムートン・ロートシルトも入っていたフランス・ワインをカルフォルニア・ワインがテイスティングで負かしたという「パリスの審判」が起こりました。

人に話したくなるワインセット
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トロイア戦争の原因「パリスの審判」とは?

アキレウスの両親ぺーレウスとテティスの結婚式の日、ただ一人招待されなかった争いの女神エリス。怒った女神は「一番美しい女神へ」と書いた黄金のリンゴを宴の間に放り込みました。
黄金のリンゴは自分のものと主張した3人の女神は、ゼウスから審判に命じられたパリスに次のものを保証して(いわゆる賄賂)、自分を選んでもらうよう計ったのです。

知恵の神アテーナは「戦場での誉れと名声」
ゼウスの妃ヘーラーは「権力と富み」
美の女神アフロディーテは「人間の中で一番美しい女性」

パリスはアフロディーテを選びました。結果、パリスはメネラオスの妻ヘレネーを奪って、トロイアに逃げました。その7年後にトロイアへギリシャ軍が出征、トロイア戦争の始まりです。

ワイン史上に残る大事件「パリスの審判」とは?

フランスでワイン・スクールを開講していた英国人のスティーヴン・スパリュア氏。フランス在中のアメリカ人の生徒や顧客が「お土産」として持って帰ってきたカリフォルニア・ワインが美味しかったので、紹介しようということになりました。

1976年5月24日フランス、場所は、パリのインターコンチネンタルホテル。

赤白10銘柄をブラインド・テストすることにしたのです。
内訳は、カルフォルニア6銘柄、フランス4銘柄。
フランス・ワインは、赤がボルドーのメドック産(カベルネ・ソーヴィニヨン)、白がブルゴーニュ産(シャルドネ)の「名門最高級格」のワイン。

審査員9人は、すべてフランス人の専門家。1銘柄につき満点は20点。9人が満点の場合180点。その結果は、次の通りです。

ワイン史上に残る大事件「パリスの審判」の結果

【赤ワイン(カベルネ・ソーヴィニヨン)】
1位 スタッグス・リープ・ワインセラーズ 1973年(米)
2位 シャトー・ムートン・ロートシルト 1970年(仏)
3位 シャトー・モンローズ 1970年(仏)
4位 シャトー・オー・ブリオン 1971年(仏)
5位 リッジ・モンテ・ベロ 1971年(米)
6位 シャトー・レオヴィル・ラスカーズ 1971年(仏)
7位 ハイツ・マーサズ・ヴィンヤード 1970年(米)
8位 クロ・デュ・ヴァル 1972年(米)
9位 マヤカマス 1971年(米)
10位 フリーマーク・アビー 1969年(米)

【白ワイン(シャルドネ)】
1位 シェトー・モンテレーナ 1973年(米)
2位 ムルソー・シャルム・ルロー 1973年(仏)
3位 シャローン 1974年(米)
4位 スプリング・マウンテン 1973年(米)
5位 ボーヌ・クロデムシュ、ジョセフ・ドルーアン 1973年(仏)
6位 フリーマーク・アベイ 1972年(米)
7位 バタール・モンラッシェ、ラモネ・プルードン 1973年(仏)
8位 ピュリニィモンラッシェ・レ・ピュセル、ルフレーヴ 1972年(仏)
9位 ヴィーダー・クレスト 1972年(米)
10位 デイヴィッド・ブルース 1973年(米)

1986年、2006年「パリスの審判」2度リターンマッチ

「フランスのワインは熟成してこそ、真価を発揮する。一流のワインでも収穫年の若いワインだと不利だ」とのクレームから、1986年、2006年の二度のリターンマッチが、赤のみで行われました。結果は、どちらとも1位はカルフォルニア・ワインでした。

アメリカのスミソニアン博物館には、「アメリカを形成した101の物」の1つとして「パリスの審判」で優勝した赤白のワインが展示されています。他の展示物で有名なものは、アポロ月面着陸の宇宙服など。

2016年、「パリスの審判」in Tokyo

「パリスの審判」は、日本でも行われました。

第1位 カリフォルニア産のフリーマーク・アビー(1969)
(なんと、「パリスの審判」1976では最下位でした)
第2位 カリフォルニア産のマヤカマス(1971)

もっと詳しく知りたい方は、以下の記事をどうぞ。

ワインの歴史変えた「1976パリスの審判」とは

終わりに。「パリスの審判」の3つの意義

ワイン「パリスの審判」から、アメリカ・ワインや他の国のワインが広く飲まれるようになったということです。

  1. カリフォルニアのナパ産など、フランス以外のチリやアルゼンチン、南アフリカなどのワインが普及するようになった。
  2. フランスは自らの「驕り」に気づき、再び切磋琢磨するようになった。
  3. ブラインド・テイスティングによって、先入観に左右されずワインの本質を感じるようになった。

興味のある方は、こちらをどうぞ。
人に話したくなるワインセット
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