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花粉症治療薬と食事のおさらい
【市販薬】抗ヒスタミン薬
アレルギー反応は体内でヒスタミンが放出されることで起きるので、それを抑える抗ヒスタミン薬が主流になっています。
【市販薬】口イコトリ工ン受容体桔抗薬
血管透過性を高めることで鼻水などを引き起こす口イコトリエンの作用を抑える薬です。
【食事】青魚、エゴマ油や亜麻仁油
オメガ3系脂肪酸の一種であるEPAやα-リノレン酸には、口イコトリエンを抑える作用があります。EPAは青魚、α-リノレン酸はエゴマ油や亜麻仁油に多く含まれます。これらを積極的に摂ることで、予防が期待できます。
【食事】乳酸菌とビタミンD
乳酸菌はヨーグルト、ビタミンDはキクラゲ、あん肝などに多く含まれています。人間は紫外線を浴びると、体内でビタミンDが合成されるので、適度に紫外線を浴びることも必要です。ほかに、粘膜を強くするビタミンB群、コラーゲンの生成を促すビタミンCなども、粘膜保護という意味では、間接的には有効です。
花粉症・レーザー治療
レーザーによって鼻の中の粘膜を焼くて、アレルギー反応を起こす場所を減らし、花粉症の症状を軽減させる治療。花粉が飛散する1か月前までに治療をする必要があります。
体質そのものを変える治療「アレルゲン免疫療法」
花粉症「舌下免疫療法」2014年保険適用で年間2万円ほど。
舌下免疫療法の手順
- 舌の裏にスギ花粉エキス液を垂らす(パンに染みこます、錠剤も)
- 2分間そのまま保持
- その後、飲み込む(または、吐き出す)
ただし、2〜3年間毎日続けます。家でできますが、これは少し大変な習慣になりますね。
保険が適用される前は、年間費用が6〜7万円。保険適用となった現在は、3割負担で年間費用2万円程で受けられます。
2014年にスギ花粉治療を開始した236人の統計では、
「期待通り35.2%」「まあ期待通り50.0%」で85.2%の人が効果を認めています。
※スギ花粉が飛んでいる時期にはできないので、2か月前までに治療する必要があります。
※副作用として、口の中がかゆくなったり、はれたりすることも一時的にあります。
※スギ花粉に体を慣らしていく治療法ですが、「何もしないでスギ花粉を吸うこととどう違うのか」がよくわかりません。
同じことですが、注射による抗原特異的免疫療法
(厚生労働省資料から)
注射は初めの3か月が1週間に1回、次の2か月が2週間に1回、その後は1か月に1回の注射
花粉の抽出液を、最初は濃度を下げて薄くしたものを注射して、その後少しずつ濃度を上げて注射し、花粉抗原に対する防御する免疫を獲得させる方法です。
平成17年度の厚生省の研究成果では、スギ花粉症に対する減感作療法で軽症、無症状に収まった患者さんが70%以上おり、そのなかで28%の患者さんたちが薬を使わなくてすみ、その高い効果が確認されました)。
また、15歳以下の小児でより高い効果が表れることも分かりました。2年間以上続けた後にやめた場合でも、約70%の患者さんで効果が持続することも患者さんへのアンケート調査などで示されています。
実際の方法は花粉症の季節の3か月以上前から始め、2年以上続けることが必要です。「舌下免疫療法」よりは少しは大変ではないかなと思いますが、定期的に注射を打つのはちょっと考えてしまいます。
その他の花粉症治療の研究
Tリンパ球のみが反応するペプチドによる「ペプチド免疫療法」
細菌のDNAと抗原がくっついた「DNAワクチン療法」
アレルギー反応中の物質をブロックする「抗体(抗IgE、抗サイトカイン)療法」
ペプチドを蓄積させた「スギ花粉症緩和米」も開発中!
これを毎日、食べることで花粉症を発症しない体質になることが期待されています。