キム・ボルム選手、ヤンキーでイケメン?
金髪がトレードマークで、韓国では「スピードスケート界の妖精」「氷上の女神」「アイドル顔負けの美貌」と称されています。ちょっと、生意気そうな面がまえですが、美人というかイケメンでカッコイイです。
マススタートでは、ISUスピードスケート・ワールドカップ2016・2017年シーズンで1位、世界距離別スピードスケートでは金メダルを獲得しています。
パシュートでは、置き去りにしてしまったことで、かなり非難を浴びていました。その時のコメントと表情が悪かったのですね。
「最後に最後尾の選手と格差が出てしまい…」
この時の画面では、ちょっと笑みが浮かんでいます。悪気があったのではないと思いますが、本人も「なんでかな」と思い、はにかんだのではないかと思います。
もし、この事件がなけれ、髙木菜那選手の金メダルもなかったかもしれません。キム・ボルム選手は、常に髙木菜那選手の後ろで彼女をマークしていました。
もっとも、チームメート佐藤綾乃選手がリタイアしていなかったら、髙木菜那選手の作戦も増えていたでしょう。勝負の世界には「もし〜ならば、」はありません。結果が全てです。あとは、想像する楽しみが残っているだけです。
キム・ボルム選手、土下座
「国民の皆さまに申し訳ないという思いが大きかったからです」
と、銀メダルを取りながらも、コース氷上の2カ所で土下座したキム・ボルム選手。
キム・ボルム選手「(次の試合に)出たくない」
「オリンピック競技に出場する選手たちは、賞賛ですら重荷になる。ましてや、非難は言うまでもない」
23日、そんな批判を浴びたキム選手を、テルン法堂の住職が激励したそうです。
代表資格のはく奪を求めた嘆願運動が起きるほど、彼女は叩かれました。そんな中での出場。代表という責任感は、凡人と違って本当に重いのだろう。かつて、F1ドライバーの〈フライング・フィン〉ミカ・ハッキネン選手が、自らのミスでリタイアした時のことを思い出しました。
ハッキネン選手の年俸は、誰だって羨ましがる数十億円。しかし、彼の肩には、チーム・マクラーレン、スポンサーのすべてが重くのしかかっていました。そんな彼は、誰にも構うことなく、TV放映さえ考えず、コース脇でうずくまり、ただただ涙を流して泣いていました。1999年第13戦・イタリアGPモンツァ・サーキットでのことでした。
「顔を上げて。大罪を犯したわけではない」
こんなキム・ボルム選手に韓国紙「世界日報」は以下のような報道をしたと言います。
銀メダル謝罪のキム・ボルムに同情論 韓国紙「大罪じゃない」「顔を上げて」
「3日間、飲み食いしなかったも同然だった。外出はもちろん選手村の食堂に行くことも怖かった。ご飯を食べないと言うと代表チームの男性チームメイトがむりやり引っ張って行ったりもした。苦しい3日間だった。夜通し十分に眠れず、たくさん泣いた」
「トラックの上に立つ力もなかったが、彼女はスケートの紐をもう一度強く結んだ。自分が、今しなければならなくて、できることはただひとつだけだった」
報道陣に銀メダルの感想を聞かれても、『ただ申し訳なかったという言葉しか言えない』と話すだけだったという。
終わりに
人の背負う責任の大小は、その人にしかわからない。今の自分の責任は、どれだけ重いのだろう? その重さを背負えない時、自分は誰彼かまわず涙することができるだろうか?
そんなことを、考えてしまった。