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宇多田ヒカル・新聞広告

宇多田ヒカルと小袋成彬の対談が新聞見開きに出ていた。まるで新聞が、音楽雑誌の内容になっていた。宇多田ヒカルが、小袋成彬アルバム「分離派の夏」をプロデュースしたこと。宇多田ヒカル20周年記念アルバム「初恋」を6月27日発売すること。

65歳になって、いまだ暗中模索している自分が恥ずかしい思いもあるが、示唆に富んだ対談を一部書き出してみます。

宇多田ヒカル、小袋成彬をプロデュース

興味を持った言葉をピックアップしていますので、二人の対談がこの通りに進んでいるわけではありません。また、会話は飛び飛びの一部分です。

新人に伝えた歌作り

小袋 どうすれば人に伝わるのかという視点が一切なかった。
宇多田 他者の視点が入ることが大事。でも、彼がやりたいようにやるのが理想。

小袋 ポップスにおいて何が重要で、人々は何を聴くかとか、この言葉にはどういう意味があり、どう変えればもっとよくなるかとか。
宇多田 やり取りしたのは全部歌詞のことでした。歌詞が盛り上がって、音楽も盛り上がって、歌い方も盛り上がっちゃうと、逆に全部消し合ってしまう、とか。ただ、(1か月くらいやり取りした)その最初の曲は、結局新作には入っていなくて……。
小袋 没にしたんです。俺の曲じゃねえ、と思って。でも、そこでいろんな方法を培うことができて、以後は自由にやれた。(1か月かけた曲がボツ!すごいです)

編曲はラーメン。

小袋 太麺にすれば美味しくなるかといえばそうではない。一つ変えると、いろんなことを変えなきゃいけなくなる。複合的な視点で作るには、作詞・作曲・編曲がやれないシンガーでないとできない。(コピーライティング、デザインも同じです。一般的にも同じだと思います)

宇多田ヒカル、デビュー20年後の「初恋」

音楽と言葉とわたし
6月に20周年新作アルバム「初恋」。16歳の時に発表した初アルバム「First Love」と同じタイトル。横文字から日本語へ。「First Love」は、767万枚、歴代最多売り上げアルバム。

  1. 宇多田ヒカルの第1期 なんとなく
    明るみに出ていないものを探していく作業。
    代表曲:Never Let Go
  2. 宇多田ヒカルの第2期 意識して
    第1期のそれを意識的に、より深く探しに行けるようになった。
    代表曲:日曜の朝(traveling、SAKURドロップスの時期)
  3. 宇多田ヒカルの第3期 こだわり
    2010年「『人間活動』に専念しようと思います」ロンドンに移住。2013年、母藤圭子の死。活動休止を経て、さらに己をさらけ出し、日本語詞にこだわりを持つようになった。
    代表曲:桜流し、花束を君に

そして、「初恋」。

「1作目から約20年。私の核にある、表現しようとする主題はずっと一貫していること。表現者としてこれだけ変わったと。同時に見えてすごくスッキリするタイトルです」

終わりに

電話の契約もしたことがない、飛行機や新幹線のチケットを買ったこともない宇多田ヒカル。そんな20代後半の彼女が、ロンドンに移住しました。部屋探し、水道や電気の契約、ゴミを出す日を確認したり、すべて彼女自身でやったのだそうでです。

音楽以外のことに接したことのない彼女には大変だったと思います。が、その根性には感心してしまいました。