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〈LGBT〉は知っている。 では〈SOGI〉は知っていますか?

〈SOGI -ソジ〉とは、Sexual Orientation & Gender Identity の頭文字です。

Sexual Orientation(性的指向)は、自分がどの性の人を好きになるかを表す「セクシュアル オリエンテーション」(性的指向)
Gender Identity(性自認):自分の性別をどう認識しているかを表す「ジェンダー アイデンティティー」(性自認)

それにしても、我々昭和世代にはこのような言葉はなかったです。しいてあげれば、「レズ」と「ホモ」ぐらいでしょうか。どちらにしても、少し異常(あるいは病気)という意味を含んでいました。

しかし、昭和の時代にも、きっとLGBTやSOGIで悩んでいた人は多かったのでしょう。時代が時代ですから、あまり公になる手段がなかったのだと思います。

(以下、静岡新聞より)

LGBT
©️静岡新聞
SOGI

©️静岡新聞

誰も好きにならない私 多様な性「SOGI」…
ケイさんの場合 “普通”も「数ある生き方の一つ」【NEXT特捜隊】

「昨今『LGBT』という言葉が浸透しつつありますが、
『SOGI(ソジ)』も新聞で取り上げてほしい」

静岡県内に住むケイさん(仮名、30代女性)から静岡新聞社「NEXT特捜隊」にメッセージが寄せられた。性的少数者の総称「LGBT」は紙面でも度々、登場する。一方、「SOGI」の文字を見る機会はまだ少ない。ケイさんに返信する前に、意味を調べた。

ケイさんはなぜ、SOGIを取り上げてほしいのだろう―。

会うと、ケイさんは自身のSOGIについて
「私の性自認は女性でも男性でもない。性的指向は誰も好きにならない、です」
と説明した。ケイさんがそれを自覚したのは最近のこと。男性との結婚がきっかけだった。

30代になり婚活をしたケイさん。男性を好きになった経験はなかったが、
「結婚して“普通”になりたかった。一人前として見られたかった」。
お見合いをして、趣味が合う男性と結婚した。

だが、
「性的な対象として見られること」が耐えられなかった」
性に関して本やネットで調べる中で、SOGIという言葉を知り、自身のSOGIを初めて自覚した。

男性とは「性格の不一致」もあり、離婚した。
「もっと早く自分のSOGIに気付いていれば、
結婚にこだわらなかったし、相手を傷付けなかった」

取材中、自分を責める言葉を何度も口にした。

 「誰もが体の性と性自認が一致して、異性を好きになるわけではない。
同性、異性にかかわらず恋愛をするとも限らない。頭の片隅に入れてもらえたら―」
ケイさんは自分の経験を話すことが「誰かの役に立つかもしれない」と考え、NEXT特捜隊にメールを送った。

 SOGIを取り上げてほしい理由はもう一つあるという。
それは「自分自身のため」。

ケイさんは「異性同士の夫婦で子どものいる“普通の人たち”がうらやましく、ねたんでしまう」と打ち明けた。そして、「そんな自分が大嫌い」と続けた。

でも、SOGIという言葉から考えると、捉え方が変わるという。「私が“普通”と思う人たちも、一人一人を見れば、数あるSOGIの中の一つを持ち、数ある生き方の一つをしているだけ」と。

人の性も、生き方も多様で、誰もが葛藤や孤独を抱えている。だから、人をうらやんだりしなくていい-。ケイさんは一歩、前に進もうとしていた。

<メモ>SOGIは性のあり方を少数派と多数派に分断しない概念として知られる。性的指向と性自認のあらゆるあり方を人権の視点から守ろうと、2006年に国際人権法の専門家会合で「ジョクジャカルタ原則」が採択されて以来、国連機関などで広く用いられている。性の多様性について研究している静岡大教職センター松尾由希子准教授(教育学)は「戸籍上の性と性自認が一致しない、異性愛者ではないことなどで、幼少期から疎外感を持つ子どもたちがいる」と指摘し、「子どもが『どの性のあり方も“普通”』と捉えられるような教育が求められる」と訴えた。